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相続後の諸手続き一覧
手続きすることにより、もらえるもの、引き継ぐもの、やめるものなど様々な手続きがあります。
また、必要な書類も手続き先も多種多様です。
例1:国民健康保険の加入者が亡くなった場合は、葬祭費として3万円~7万円(市町村によって異
なります)が受け取れます。
例2:社会保険の加入者が亡くなった場合は、埋葬費として給与の1ヶ月分(最低10万円)が受け取れます。
※いずれも申告制ですので、手続きしないと受給できません。加入者が亡くなった日から2年以内に申告しなければ権利がなくなりますので、注意が必要です。
以下は諸手続きの一覧です(平成24年12月現在のもの。全員の方に全てがあてはまるわけではありません)。
死亡届を出さないと、遺体の火葬も埋葬もできません!
親しい方が亡くなられたということはとても悲しいことです。
ですが、その中でもやらなければならない手続きが幾つもあります。
その中で恐らく一番初めにしなければいけないことが、この『死亡届』の提出になります。
提出期限 | 亡くなったことを知った日から7日 |
届出先 | 亡くなった方の死亡地、本籍地、または届出人の所在地、亡くなった 場所の市区役所、町村役場の戸籍係になります |
届出用紙 | 死亡届出書が提出先にあります |
その他必要書類 | 死亡診断書と届出人の印鑑が必要です |
自宅で亡くなられた場合、医師に連絡して来てもらってください。医師が死亡を確認し、死亡診断書を書くまではご遺体に手を触れたり、動かしたりしてはいけません。また急に亡くなられた場合や病院がお休みの場合等は、110番に連絡して警察医に確認してもらわなければなりません。
世帯主とは、その世帯の生計を主に維持している人であることが一般的です。ですから人が亡くなられたら必ず世帯主変更届が必要という訳ではありません。
亡くなられた方が世帯主であった場合は、14日以内に届出が必要になります。
提出期限 | 変更(死亡届が提出されて)があった日から14日以内 |
届出人 | 新しく世帯主となる人 |
届出先 | 届出人の住所地の市区役所・町村役場 |
届出用紙 | 世帯主変更届が届出先にあります |
遺言がない場合 ⇒ 遺産分割協議による協議
遺言がある場合 ⇒ 検認を行う(但し、公正証書遺言の場合は不要)
自筆証書遺言 | 遺言者自身が遺言全文、日付、氏名を自筆で書き、押印必ず自署して押印 |
公正証書遺言 | 1:証人2名立会いのもと公証人に口述 |
秘密証書遺言 | 1:自分又は他人の書いた遺言書に署名押印する |
ケースによって、どの遺言を残されるのがよいかは異なってきます。それぞれにメリット・デメリットがありますので、まずは当社にご一報ください。お客様にとって適切な方法を提案いたします。
被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本を収集します。
※注意:戸籍は何度か編集されているため、生い立ちがつながるような資料収集が必要
配偶者は常に相続権者 | |
第一順位 | |
第二順位 | |
第三順位 |
『相続』は一般に『財産をもらえる』というプラスのイメージがありますが、実は亡くなられた方が残した借金や保証人になっていた場合の保証債務等、マイナスの財産も含みます。
民法915条には『相続人は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内に相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない』とあります。そして、921条2には『この期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかった場合は単純承認をしたものとみなす』とあります。
つまり、相続が発生してから3ヶ月間、何もしなければ自動的に単純承認したものとみなされます。単純承認すると、相続人のプラスの財産もマイナスの財産も全て引き継ぐことになります。
マイナスの財産を引き継ぎたくないときに、以下の2つの方法があります。
限定承認とは、相続財産の範囲でのみ相続債務を弁済することを留保して相続を承認することです。
ですから、相続財産で債務を返済してもなお、財産が残ればその分は相続することが出来ます。逆に全ての財産を処分したのにも関わらず債務の全てを返済できなかった場合でも、残った債務に対する責任はありません。ですから、財産の状況がつかめない場合等には有効です。
申述人 | 相続人全員(相続を放棄した人は除く)で家裁への申述が必要です |
申述先 | 亡くなられた方の住所地の家庭裁判所 |
申述用紙 | 限定承認審判申立書(家裁にあります) |
必要書類 | 相続人全員の戸籍謄本・被相続人の戸籍(除籍)謄本・相続する財産の 目録 |
申述費用 | 収入印紙800円(1名につき)と連絡用切手代(地域によって違います) |
申述期限 | 相続開始を知った日から3ヶ月以内 |
『限定承認が家庭裁判所で認められた!』といって喜んでそれで終わりにしてはいけません!
限定承認をした相続人は、被相続人の債権者や遺言により財産を贈られた受遺者のすべてに対して、
限定承認をしたこと及び一定期間に請求すべき旨を公告しなければいけません。(5日以内)この公告を行わないと効果は発生しません。
※ 公告・・・政府が毎日刊行する官報に掲載すること。
相続財産がプラス財産よりもマイナス財産のほうが多いことが明らかなときは、相続放棄の手続きをして相続に関する全ての権利を放棄することができます。
また、亡くなられた方に債務がなかったとしても、相続人が権利を受け継ぐことを望まないときにも相続放棄の手続きをする場合があります。
相続を放棄すれば、亡くなった人の負債の返済責任を免れるとともに、亡くなった人の相続財産と無関係になります。
申述人 | 相続を放棄したい人 |
申述先 | 亡くなられた方の住所地の家庭裁判所 |
申述用紙 | 相続放棄申述書(家裁にあります) |
必要書類 | 申述人の戸籍謄本・被相続人の戸籍(除籍)謄本 |
申述費用 | 収入印紙800円(1名につき)と連絡用切手代(地域によって違います) |
申述期限 | 相続開始を知った日から3ヶ月以内 |
相続を放棄しても、生命保険金等を受取れる場合があります!
相続を放棄しても、相続財産を構成していない生命保険金や死亡退職金は受取ることができます。但し放棄した人に関しては、一定の相続に関する納税の非課税枠があるのですが、こちらは適用することができません。
全員が準確定申告をする必要があるわけではありません。
準確定申告をしなければいかないのは以下のどれかに当てはまる人になります。
1:被相続人が2箇所以上から給与を得ていた
2:被相続人の給与所得が2000万円以上であった
3:被相続人に給与所得、退職所得以外の所得が20万円以上あった
4:被相続人が同族会社の役員や親族などで、給与の他に貸付金の利子、家賃などを受取っていた
5:相続人が個人事業者だった場合
上記の方以外にも、下記の方の場合は準確定申告を行うと税金が返ってくる事があります。
1:被相続人に高額医療費が発生していた場合
2:被相続人にゴルフ会員権の譲渡損があった場合
通常の確定申告と違い、被相続人が亡くなった年の1月1日から亡くなった日までを計算期間として、死亡した日(死亡を知った日)の翌日から4ヶ月以内に申告が必要になります。準確定申告をする場合の税務署は、被相続人の住所地を管轄する税務署になりますのでご注意下さい。
遺言書がない場合、各相続人の相続分は相続人同士の話し合いで決めます。話し合いで決めればいいので、法定相続分でなければならないということはありません。
誰がどの財産をもらうかを決める話し合いのことを『遺産分割協議』といいます。この協議そのものには期限はありませんが、相続税を払う必要のある人は相続税の申告期日(10ヶ月)までに分割協議を終えないと、税制上の優遇措置が受けられなくなる場合がありますので早めにされることをお勧めします。相続人同士で遺産をどのように分けるのか決まったら『遺産分割協議書』を作成します。
『遺産分割協議書』は不動産の登記や名義変更などの際に必要にもなりますし、銀行の預貯金を下ろす際にも必要となってきます。また、後日の争いを防ぐ効果もあります。
ですから合意内容を明確にするためにも作成するようにしましょう。
遺産分割協議書を作成する書式は自由ですが、以下の点に注意して作成されるとよいでしょう。
1:誰が何をどれだけ相続するかを明記する。
2:不動産の場合は登記簿謄本の記載内容、預貯金の場合は銀行名、口座番号など細かい点まで記載しておくこと。
3:協議後に新たな財産が見つかった場合についても決めて書いておく。
4:相続人全員が署名、捺印し、実印の印鑑証明のついたものを各相続人が1通ずつ保管する。
ところで一度納めてしまった相続税ですが、後程変更できるのでしょうか?
一般には、不動産が絡んでいる場合の相続税の納税額は、税理士さんによって金額が異なるといわれています。税理士さんでも得意分野は色々有ります。すべての方が相続税について精通しているわけではありません。相続税を払われた方は、もう一度見直すことによって還付を受けられる可能性があります。セカンドオピニオンは相続にも役に立つかと思われます。
では、どのような方が還付を受けられるのでしょうか?
相続税の申告期限から5年以内であれば次の方法により還付を受けられる可能性があります。
■相続税の申告期限から1年以内の方
更正の請求をします。更正の請求とは、相続税の計算に誤りがあってさらに税額が過大であるときに税務署長に対して本来の税額に直してくださいと請求をすることを言います。その期限は、申告期限から1年以内とされています。つまり、納税者は1年以内であれば還付を請求する権利があります。
■相続税の申告期限から1年超5年以内の方
還付嘆願をします。還付嘆願とは、税務署長の職権で税金を還付してくれるようにお願いすることを言います。その期限は申告期限から5年以内です。つまり、納税者は1年超5年以内であれば還付をお願いすることになります。尚、申告期限から5年を超えると時効になり、還付をお願いすることが出来なくなります。
自分の払った相続税が是正できないかしら?とお考えになられた方は最初に税金が戻るのかどうか確認します。当社では、相続税に特化した税理士さんをご紹介いたします。戻る可能性があれば、上記の方法により相続税の申告書を提出します。
―相続人への最低保障―
被相続人には財産処分の自由があり、遺言で誰にどの財産をあげようと自由です。しかし100%それを認
めてしまうと、被相続人の財産に依存しなければならない家族がいた場合、たちまち困窮してしまいます。
こういった家族の期待を保護するため、法定相続人(配偶者・子・直系尊属のみ)に最低限の取り分を決
めています。それを遺留分といい、受遺者・受贈者に対し財産取り戻しの請求をすることを遺留分減殺請求
といいます。
たとえば相続財産が2000万円あり、「すべての財産を友人Aに相続させる」という遺言書があったとします。
相続人として配偶者と子が一人であった場合、被相続人財産の1/2(全体の遺留分の率)×1/2(それぞれ
の遺留分権利者の法定相続分の率)を遺留分として取り戻せることになります。つまりこの場合だと配偶者と
子はそれぞれ、2000万円×1/4=500万円取り戻せます。この請求を遺留分減殺請求といい、受遺者Aに対し
て請求できます。請求は特に裁判によらなくても相手方に請求するだけで法的効果が生じます。受遺者Aは
請求があれば支払わなくてはならない義務が生じます。
もちろん遺留分減殺請求権を、行使するかしないかは相続人の自由ですが、遺留分侵害を知った日から1年、 侵害を知っていたか知らないかに関わらず相続の日から10年で権利は消滅します。
国民健康保険に加入されていた方が亡くなられた場合に、申請によって支給されるものです。これは任意給付なので、支給額は各自治体によって異なります。
申請人 | 亡くなった方の葬儀執行人 |
申請先 | 申請人の住所地の市区役所の国民健康保険課 |
申請用紙 | 国民健康保険葬祭費支給申請書が申請先にあります |
必要書類 | 健康保険証、死亡診断書、葬儀費用の領収書 |
葬儀を行った日の翌日から2年以内に申請しないと権利がなくなります。
健康保険に加入されていた方が亡くなられた場合、埋葬料が支給されます。また、健康保険加入者に扶養されていた方が亡くなったときは被保険者に家族埋葬料が支給されます。
埋葬料の請求によってもらえる金額は、前述の『葬祭費』のように市町村によって一律ではなく、被保険者の生前の収入によって異なります。
申請人 | 遺族または葬儀執行人/家族埋葬料の場合は被保険者 |
請求先 | 健康保険組合又は事業所所在地の社会保険事務所 |
請求用紙 | 健康保険埋葬料・家族埋葬料請求書が請求先にあります |
必要書類 | 死亡に関する事業主の証明/埋葬・火葬許可証の写し/死亡診断書の写し |
死亡又は埋葬の翌日から2年以内に請求しないと給付が受けられません。